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メンタルヘルス 2021.04.22

企業にとっての最大のリスク

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企業にとっての最大のリスク

自殺はだれでも、どこでも起こりうる

出典:写真AC


メンタルヘルス不調が、企業にとってリスクになる最も大きな要素の1つが、うつ病やうつ状態により、部下が自殺に至るケースがあることです。

部下の自殺というと「さすがにウチにはないだろう」「特殊な例なのでは」と思われるかもしれませんが、決して他人事ではありません。

うつ病自体は死に至る病でないものの、脳の機能が低下することで衝動的に自殺に走ってしまうリスクがあるからです。

厚生労働省などによると、会社などに勤める人(被雇用者)の自殺者数は、この10数年は年間約7,000~8,000人前後で推移してきました。これを雇用者全体で割ると、約8,000人に1人という割合になります。。

つまり、従業員が1,000人の会社であれば、8年に1人は自殺者が出てもおかしくない数字です。

実はうつ病の増加は日本だけに限らず、世界的な傾向でもあります。WHO(世界保健機関)では、2015年時点で世界の全人口の約4%、3億2,200万人がうつ病を発症していると推計しています。同年の世界の自殺者は約78万8,000人で、特に15~39歳の若年層では自殺が死亡原因の第2位であり、その主な原因がうつ病であるとして、若年層にもうつ病の予防プログラムを行うことの重要性を強調しています。

日本では、2017年の自殺者数は2万1,000人余りです。以前は自殺者が3万人を超えている時期が長くありましたから、それに比べると、自殺者が少なくなっているように見えるかもしれません。

しかし、私の会社の顧問であり、産業医で精神科専門委の吉村健佑医師は、自殺者が少なくなっているのは、40~60代の男性の数が減っているため、と指摘します。

日本では自殺者の7割が男性で、その中心となっているのが40~60代です。この7~8年で労働生産人口の減少でこの世代の男性が少なくなり、自殺者総数は減ったものの、自殺者が発生する割合で見れば大きく変わっていないと言います。

2017年のデータでも、全国で1日当たり平均約60人が自殺している計算になります。

もちろん日本でも、自殺は中高年だけの問題ではありません。10~30代の若い世代の死因の第1位を占めるのが自殺です。これから社会で活躍するはずだった若い世代が、うつ病やうつ状態から自殺に至った痛ましい事例は数多くありますが、皆さんの印象に残っているのは、やはり2015年に起きた「電通事件」ではないでしょうか。

業界最大手の広告代理店・電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24歳)が、長時間労働やハラスメントが続いたことでうつ状態に陥り、2015年12月25日に社員寮から飛び降り自殺をしてしまった事件です。

その翌年には新潟市民要因で当時研修医だった木元文さん(当時37歳)の過労自殺が起こっています。吉村医師によると、この事件も医療関係者の間では衝撃をもって受け止められたということです。

木元さんは月160時間を超える時間外労働などで2015年9月頃にうつ病を発症。 翌2016年1月に、近くの公園で自ら命を絶ちました。

悲しいことに、人々の心身を守る専門職にある医師ですら、うつ病を発症すると自殺に繋がりうることを知っておいてほしい、と吉村医師は話します。

次は『部下の自殺で企業や上司が問われる責任』についてご紹介いたします。

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部下の自殺で企業や上司が問われる責任

企業が問われる責任とは




出典:写真AC

部下が過重労働や仕事にまつわるストレスからうつ病になり、自殺に至った場合、その人が勤務していた企業は必ず責任を問われます。



まず、労働基準法や労働安全衛生法といった法律には、働く人の安全や健康を守るために労働時間管理や職場環境などについて、様々な規定があります。

こうした法律に対する明らかな違反があった場合、労働基準監督署から行政指導を受けることがありますし、場合によっては刑事責任を問われることもあります。

皆さんもご存じのように、近年は社会的に「コンプライアンス(法令順守)」が重視されるようになっています。労基署から指導を受けるようなことがあれば、そのこと自体が企業イメージを大きく損なうことにつながり、業績悪化や採用難にますます拍車をかけることにもなりかねません。



また、明確な法令違反がなければ問題がないかというと、そうでもありません。仕事によってうつ病を発症した本人や、自殺した部下の遺族から、企業に対して損害賠償の民事訴訟を起こされるリスクは常にあります。



損害賠償請求の時のキーワードになるのが、「安全配慮義務」です。企業(使用者)2はそこで働く人(労働者)に対し、安全配慮義務があります。これは「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と労働契約法に定められているものです。



部下が仕事によりうつ病を発症し、自殺に至った場合、企業側は「部下のうつ病を把握していたにもかかわらず必要な措置をとらず、安全配慮義務を怠った」として訴訟を起こされる可能性が高くなります。このような民事訴訟になった場合、最近は企業にかなり高額の賠償金が課せられるケースが増えています。



例えば、2000年3月24日の最高裁判決では、うつ病が理由で社員が自殺した企業に対し、賠償金1億6,800万円の支払いを命じています。

少し新しいところでは、2015年12月8日東京地裁において、過労から自殺をした社員の遺族に対し、企業が賠償金1億3,300万円を支払うことで和解が成立しています。

さらに言えば刑事訴訟、民事訴訟のいずれも責任を問われるのは企業(経営者)だけとは限りません。自殺に至るまでの経緯や周囲の人の対応にとっては、直属の上司など個人が責任を追及される例もあります。1人でも部下を持つ人は、それを自覚しておく必要があるでしょう。



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次回は「職場のパワハラは許されない時代に」についてご紹介いたします。

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この記事の監修


 


株式会社Avenir
代表取締役 刀禰真之介

株式会社メンタルヘルステクノロジーズ代表取締役。
デロイトトーマツコンサルティング株式会社(現アビームコンサルティング)、UFJつばさ証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)株式会社、株式会社環境エネルギー投資などを経て、株式会社Miew(現メンタルヘルステクノロジーズ)を設立し、代表取締役に就任。その後、同社の100%子会社としてAvenirを発足し、代表取締役就任。

【著書】
部下の心が折れる前に読む本

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