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メンタルヘルスブログ
上司と部下では、『ストレス耐性』が異なる
上司と部下では、『ストレス耐性』が異なる
人によって異なる「ストレス対応能力」
何らかのストレスがかかった時にそれをうまくやり過ごしたり、跳ね返したりしながら対応していく力、いわゆる「ストレス対応能力」「ストレス耐性」も人によって異なります。
下図の図は、心理学や人材育成といった分野でよく使われる「3つの領域」を表したものです。
円の中央は「コンフォートゾーン」です。安心してリラックスしていられる心理領域を指します。慣れてきて確実にできる仕事をしている、親しい同僚や上司がいて安心して働ける。そういう状態がコンフォートゾーンです。
コンフォートゾーンの外側にあるのが、「ストレッチゾーン」です。

出典:モチラボ「コンフォートゾーンとは?」
ここは安心できる領域を出て、少し不安や緊張、ストレスを感じる領域です。初めての仕事に挑戦する、昇進して責任が重くなる、新しいプロジェクトを始める、緊張する人と会って交渉をする。そういったことがこの領域に当てはまります。
そして、一番外側の円は「パニックゾーン」です。 ここは、ストレスや負荷が強すぎる心理領域です。強過ぎる負荷によってパニックに陥り、大きい挫折や失敗、心身の不調などが起こりやすくなります。心が折れてしまうと休職・離職にもつながります。
上司と部下のストレッチゾーンの違い
一般に、上司と呼ばれる立場の人は、部下に比べてこの中のストレッチゾーンが広いのです。
安心できる領域を超えた挑戦やストレスのかかる状況を経験しながら、パニックにならずに乗り越えてきたからこそ、人より上に立っているのです。役職が上に行けば行くほど、このゾーンは広くなります。
しかし部下は、上司に比べて相対的にストレッチゾーンが狭い傾向にあります。そのため上司には、社会人であれば誰でも経験すると思えるような出来事も、部下にとってはパニックゾーンに入るトリガー(引き金)である可能性もあるのです。
実は仕事のできる上司ほど、そのような認識の違いから、無意識に部下を追い詰めたり、ストレスを与えてしまうケースは少なくないと感じます。
管理職、経営者の方々はよく仕事の負担感やストレスについて「これくらい普通でしょう」「自分もそうしてきた」と話しますが、管理職・経営者の「普通」と部下の「普通」は異なります。
何が普通かは、時代や世代によって違います。40~50代の管理職と、30代以下の若手では普通の基準は違って当然ですし、30代と20代でも感覚は異なります。
部下のメンタルヘルス対策を考えるときには、上司と部下ではそうした違いがあるという基本認識の上に立ち、対応を考えていくことが大切です。
次回は「部下のやる気をそぐ上司にならないために」についてご紹介いたします。
この記事の監修