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メンタルヘルスブログ

メンタルヘルス 2021.01.28

軽視されてきた部下の心のケア

軽視されてきた部下の心のケア

軽視されてきた休職・復職対応


これまで日本の企業文化の中では、社員の健康管理やメンタルヘルスケアなどに積極的に取り組もうという意識も、そのための方法論もほとんどありませんでした。


企業の中で社員の心身の健康管理の窓口となるのは、人事・労務部門です。
人事の主な業務を大きく分けると採用、教育、評価、労務の4種類になります。 さらに労務のなかにも、大きく


①就業規則関係
②社会保険等の手続
③給与計算
④定期健康診断・ストレスチェック
⑤社員の休職・復職対応などがあります。(図:最新の労務)


そもそも人事の業務の中で労務に避ける時間は限られていますし、さらに労務の中でも、④の定期健康診断などの社員の心身の健康管理、⑤メンタルヘルス不調者の休職・復職対応といった部分は、ほかの業務に比べると軽視されてきた傾向があります。


「人事・労務の業務全体の中で見れば、重要性は高いが、緊急性は低い」と判断されがちだからです。
人手も時間も限られる中では、目の前の仕事に追われてしまい、メンタルヘルス対応をやりたくても手が回らないのが多くの組織の実情だと思います。


しかし、現代社会では、「心身の件呼応管理」や「メンタルヘルス対応」を後回しにしていると、ボディーブローのようにあとからじわじわと影響が広がってきます。
そして、職場全体の生産力が落ちる、離職率が上がるなど、組織の活力を奪っていくのです。




時代とともに迫られる変化

これからは働く人の心身の健康管理やメンタルヘルス対策に、組織全体で取り組んでいくことが重要になります。

具体的に言えば、社員に健診やストレスチェックの受診を促すのは人事・労務担当者の場合が多いですが、その結果から健康リスクを判定し、アドバイスができるのは産業医です。また健康リスクを抱える人がいた場合、業務量や労働時間、労働環境の改善などを考えることができるのは上司や管理職、経営者になります。

人事・労務担当者、管理職、産業医や産業保健スタッフ、経営者がそれぞれに働く人の心身の健康保持のために何をするか、うつ病による休職などが出たときにどう動くか。そうしたことを組織の中で”しくみ化”していくことが必要です。


そのようにしていかなければ、部下のメンタルヘルス不調や休職・離職を食い止めることはできないでしょう。


メディアでの報道などや法改正などをきっかけに、時代が変わりつつあり、メンタルヘルスへの社会の理解が深まっています。
もはや「これまではそんな対策は必要なかった」という反論は、意味がありません。


時代が変われば、それに合わせて企業も変わっていかなければ生き残りは望めません。
そして組織が変わるためにまず必要なのは、費用や人手ではなく、「対策をしなければ、働く人の心身の健康は失われていく」という現実を正しく認識することなのです。


次回は「増えるメンタルヘルス、不調の原因はストレス」についてご紹介いたします。

この記事の監修


株式会社Avenir 代表取締役 刀禰真之介


株式会社Avenir
代表取締役 刀禰真之介

株式会社メンタルヘルステクノロジーズ代表取締役。
デロイトトーマツコンサルティング株式会社(現アビームコンサルティング)、UFJつばさ証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)株式会社、株式会社環境エネルギー投資などを経て、株式会社Miew(現メンタルヘルステクノロジーズ)を設立し、代表取締役に就任。その後、同社の100%子会社としてAvenirを発足し、代表取締役就任。

【著書】
部下の心が折れる前に読む本

部下の心が折れる前に読む本